小5でも解ける?2020年桜蔭中算数入試1⃣

昨日、安倍総理が、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全国の小学校、中学校、高校に、来週月曜日(3月2日)から春休みまで、学校休業を要請しましたね。

おそらく、ほとんどの学校が休業することでしょう。

しかし、学校が休みとはいえ、感染予防のためなのですから、生徒のみなさんも大っぴらに外に遊びに行くわけにはいきませんから、こんな時は、家で過去問を解きながら過ごしてみてくださいね!

というわけで、今回は、最難関女子中学校の一つである女子御三家の桜蔭中学校の今年の入試問題です。

今日の1⃣の問題も、女子御三家レベルを目指す受験生でしたら、現小学5年生でも解けると思います!

2020年 桜蔭中 1⃣(1)分数、小数の計算

灘中の1⃣同様、この手の計算問題は、約分、通分、逆算に気を付ければ、それほど難しくないラッキー問題ですから、スピーディーに解けるように、日ごろから練習しましょう。

2020年 桜蔭中 1⃣(2) 割合

この問題は、テキスト文章で解説します。

花子さんと弟は、2人とも同じお菓子を12個ずつ買い、花子さんが持ち帰る数を弟が店で食べ、花子さんが店で食べる数を弟が持ち帰るので、2人合わせて24個のお菓子のうち、12個を持ち帰り、12個を店で食べることになります。

*例えば、花子さんが7個を持ち帰り、5個を店で食べるとすると、弟は、逆の個数になるので、5個を持ち帰り、7個を店で食べることになります。

よって、2人合わせて、持ち帰り7+5=12個、お店5+7=12個となります。

ところで、お菓子1個の税抜き価格をとすると、

お店で食べる場合:消費税8%込み価格 1.08

持ち帰りの場合:消費税10%込み価格 1.1

と表せます(1.08や1.1という割合は、①のように〇で囲めないので、赤い太字で、表します)

これがそれぞれ12個ずつで、合計1308円になるので、

1.08 × 12 + 1.1 × 12 = 26.16 = 1308円

よって、お菓子1個の税抜き価格は、

1308 ÷ 26.16 = 50円  となります。

灘中の2⃣同様、2種類の消費税込みの合計金額から、税抜き価格を求める問題でしたが、灘中の問題よりは易しいと思います。

2020年 桜蔭中 1⃣(3) 植木算、規則性

この答案は、図だけ写真にして、テキスト文章で解説します。

問題文より、基本事項として、下図のように、柱と柱の間は5m50cm(=550cm)で、1本目の柱から35cmのところに1個目のちょうちんがあり、その後は、1m35cm(=135cm)おきにちょうちんをつるすことになります。

①1本目の柱から10本目の柱までの間の距離は、植木算より、

550cm × (10-1) = 4950cm

ちょうちん1個目が1本目の柱から35cmのところにあるので、1個目のちょうちんから10本目の柱までの距離は、

4950 - 35 = 4915cm

この4915cmの距離のなかに、135cmの間隔がいくつあるかを考えると、

4915 ÷ 135 = 36あまり55

この36と、あまり55という数字は、下図のように、1個目のちょうちんのあと、最後のちょうちんまでの間の数が36個あり、最後のちょうちんから、10本目の柱までの距離が55cmということを意味します。

よって、植木算より、ちょうちんの数は、間の数より1個多いので、

36 + 1 = 37個・・(ウ)

であり、10本目の柱に一番近いちょうちんは、その柱から

55cm・・(エ)

のところにつるしたことになります。

②次に、1個目のちょうちん以外の各柱の35cm以内につるされたちょうちんをはずすということなので、各柱の左右につるされたちょうちんが、何cmの位置にあるか調べてみましょう。

*2本目の柱

(550-35) ÷ 135 = 3あまり110

下図より、ちょうちんの間の数が3個で、2本目の柱の左側110cmのところに、4個目のちょうちんがつるされています。

そして、そこから135cm右に5個目のちょうちんがつるされているので、

135 - 110 = 25cm

つまり、2本目の柱の右側25㎝のところに、5個目のちょうちんがつるされており、これは2本目の柱の右側35cm以内のところにあるので、はずされることになります。

*3本目の柱

(550×2-35) ÷ 135 = 7あまり120

下図より、ちょうちんの間の数が7個で、3本目の柱の左側120cmのところに、8個目のちょうちんがつるされています。

そして、そこから135cm右に9個目のちょうちんがつるされているので、

135 - 120 = 15cm

つまり、2本目の柱の右側15㎝のところに、9個目のちょうちんがつるされており、これは3本目の柱の右側35cm以内のところにあるので、はずされることになります。

*4本目の柱

(550×3-35) ÷ 135 = 11あまり130

下図より、ちょうちんの間の数が11個で、4本目の柱の左側130cmのところに、12個目のちょうちんがつるされています。

そして、そこから135cm右に13個目のちょうちんがつるされているので、

135 - 130 = 5cm

つまり、2本目の柱の右側5㎝のところに、13個目のちょうちんがつるされており、これは4本目の柱の右側35cm以内のところにあるので、はずされることになります。

*5本目の柱

(550×4-35) ÷ 135 = 16あまり5

下図より、ちょうちんの間の数が16個で、5本目の柱の左側5cmのところに、17個目のちょうちんがつるされています(これは5本目の柱の右側35cm以内のところにあるので、はずされることになります)

そして、そこから135cm右に18個目のちょうちんがつるされているので、

135 - 5 = 130cm

つまり、5本目の柱の右側130㎝のところに、18個目のちょうちんがつるされています(これはとりはずされません)

 

もうお気づきだと思いますが、下の表に整理すると、4本目までは各柱の左側のちょうちんの間の距離が10cmずつ長くなり、右側のちょうちんの距離が10cmずつ短くなっていることが分かります。

左側 右側
2本目の柱 110cm 25cm ①
3本目の柱 120cm 15cm ②
4本目の柱 130cm  5cm ③
5本目の柱 5cm ④ 130cm

5本目の柱で、左右の距離の長短が逆転しますが、6本目以降も同様に柱の左側が10cmずつ長くなり、右側が10cmずつ短くなるので、下の表にようになります。

左側 右側
6本目の柱 15cm ⑤ 120cm
7本目の柱 25cm ⑥ 110cm
8本目の柱 35cm ⑦ 100cm
9本目の柱 45cm  90cm
10本目の柱 55cm   なし

表の35cm以内の赤い数字のちょうちんはとりはずすことになるので、表の①~⑦の7個のちょうちんを全37個から引けばよいので、

37 - 7 = 30個・・(オ)

 

今日のまとめ

昨年の10月から、消費税が8%から10%に上がりましたが、食料品は、持ち帰りとお店で食べる場合で、消費税が異なることを利用した入試問題が、前回の灘中と今回の桜蔭中でも出題されていますね。

ただ、両校とも2問目に出題されていることからも分かるように、易しい問題として出題されているため、来年以降も出題されるかどうかは分かりませんが、他の中学校では来年以降も出題される可能性があると思いますので、確実に解けるようになっておいてほしいと思います。

また、(3)の植木算を利用した①の問題(ウ、エ)はそれほど面倒ではなく、確実に解けるようにしましょう。

②の問題は、柱1本1本計算していくと面倒ですが、3、4本目ぐらいで左右の間隔の規則性が分かれば、比較的早く、容易に解けると思います。

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