先日、ベネッセの興味深いアンケートが公表されたので、ご紹介しますね。
2020.5.19 ベネッセコーポレーションニュースリリース
◆コロナ休校で生まれた「学力格差不安」について
新型コロナウイルス感染症対策として、全国多くの学校で 3 月ごろから「休校」が続いてきました。ただし、地域によって休校期間の長さに違いがあったり、休校期間中の学習内容も地域・学校によって差があるのが実態でした。結果として、長期にわたった休校により全国で「学力格差」が生まれつつあり、格差に対するご家庭の懸念・不安が増大しています。「学校の勉強に遅れてしまう」ことが不安
小学校低学年:3/20前後 23.3% → 4/17前後 55.7% → 5/8前後 50.5%
小学校高学年:3/20前後 44.2% → 4/17前後 56.1% → 5/8前後 56.0%
中学生:3/20前後 47.4% → 4/17前後 64.2% → 5/8前後 60.4%
3月20日前後に比べ、4月17日前後の数値が大幅に上昇しているのは理解できますが、5月8日前後のアンケートでは、数値が下がっています。
緊急事態解除からの学校再開や塾再開が近づいたから安心感が芽生えたからなのか、休校期間が長引いたせいで、危機感が薄れたからなのでしょうか?
もう一つ、別のアンケートが「リセマム」で紹介されていました。
休校中の課題「無理してまでやる必要ない」保護者52%
新型コロナウイルス感染拡大の影響による休校中の課題について、保護者の52%が「無理してまでやる必要はない」と考えていることが、パステルコミュニケーションが2020年5月21日に発表した調査結果より明らかとなった。
引用元: 2020.5.22リセマムHP
このアンケート結果を見ると、やはり、休校期間が長引いたせいで、親子ともに危機感が薄れているのではないかとも考えられます。
私の塾の生徒でも、学校が再開してから、塾の宿題を忘れてくる生徒が増えたように感じます。 学校が休校の間は、学校の宿題が少ないせいで、塾の宿題をしていたのが、学校が再開されてから、学校の宿題をするために、塾の宿題に手が回らないといった感じです。
しかし、コロナによる休校が行われる前は、学校の宿題も塾の宿題もやっていた生徒が多かったのに、学校再開後、それができない生徒が増えたのですから、はっきり言って、勉強量が減った生徒、勉強・宿題を怠ける生徒が増えたとしか思えません。
しかし、そんな状況でも、きちんと勉強している生徒はいるはずですし、何度も当ブログや塾でも言っていますが、今年は、夏休みが短縮される可能性が高いため、例年のように塾の夏期講習で、遅れを挽回することが期待できない可能性が高いのです!
例年のように、夏休みに猛勉強して、成績がグンと伸びたり、上位の生徒を逆転するという現象が減り、現在の学校や塾のテストの順位が、夏を過ぎ、秋・冬になっても、大きく変わらないかもしれません。 今成績が良い生徒が先行逃げ切りする可能性が高いのです。
というわけで、いち早く先行逃げ切りできる側になれるように、今日は、雙葉中の入試算数3⃣、4⃣を解いていきましょう!!
2020年 雙葉中 3⃣ 正多角形の角度、面積
(1)求める(あ)の角を持ち、正十角形の二辺を持つ三角形を△ABJとすると、正十角形のため、AB=AJの二等辺三角形になる。
また、正十角形の一つの内角は、
180°×(10-2)÷10 = 144°
なので、△ABJは、下の図のように、∠BAJ = 144°の二等辺三角形なので、∠AJB (あ)= ∠ABJより、
(180°ー144°)÷2 = 36°÷2 = 18°(あ)
(2)問題文の図形を見てみると、正五角形の5つの辺に、上の△ABJと合同な三角形が5つくっついて、外側の正十角形になることが分かる。 問題文より、正十角形の面積が470㎠で、正五角形の面積が380㎠と分かるので、
正十角形の面積 = 正五角形の面積+△ABJ×5 より、
470㎠ = 380㎠ + △ABJ×5
△ABJ×5 = 470ー380 = 90
△ABJ = 90÷5 = 18㎠・・①
また、正十角形の上半分に下のような、A、B、C、D、I、Jの点を打ち、DIの対角線の中点を点Oとする。
求める面積は、黒い三角形CBDと黒点の三角形ABDの和である。
まず、黒い三角形CBDは△ABJと合同な三角形なので、①より、△CBD = 18㎠
次に、辺ABと辺ID(OD)は平行なので、底辺ABを共通とする△ABD(黒点)と△ABO(赤)は面積が等しい。
ここで、点Oを頂点とする三角形△ABOや△BCO、△CDO・・△JAOなど合同な三角形が10個集まって、正十角形ができるので、△ABOの面積は、正十角形の十分の一であることが分かる。
よって、△ABO = 470㎠ ÷ 10 = 47㎠ = △ABD(黒点)
よって、かげをつけた面積は、
△CBD+△ABD = 18+47 = 65㎠
2020年 雙葉中 4⃣(1)(2)規則性
(1)問題文より、1グループの分母は2、2グループの分母は3、3グループの分母は4となっているので、71グループの分母は、72であり、分子は、1から71までの既約分数である。
そこで、分母72と約分できる分子を考えることになるので、72の約数を書き出すと、
1、2、3、4、6、8、9、12、18、24、36、72
であり、1を除けば、2の倍数か3の倍数(2と3の公倍数である6の倍数)である。
よって、72が分母の分数は、分子が2の倍数か3の倍数である場合、約分できることになる。
そこで、1から71までの中の2の倍数と3の倍数の個数の和を求める。
2の倍数・・71÷2 = 35あまり1 なので、35個
3の倍数・・71÷3 = 23あまり2 なので、23個
6の倍数・・71÷6 = 11あまり5 なので、11個
よって、1から71までの中の2の倍数と3の倍数の個数は、
2の倍数の個数+3の倍数の個数ー6の倍数の個数
= 35+23ー11 = 47個
この47個は、分母72と約分できる分子の数なので、既約分数であるグループの中には含まれない。 よって、求める既約分数の個数は、
71-47 = 24個 である。
(2)420グループは、分母が421である。
分子が3の分数を持つグループは、分母が3の倍数でないグループである。 よって、分母が421の分数のうち、分母が3の倍数の個数を求める。
421÷3 = 140あまり1
よって、分母が3の倍数のグループは、140個ある。
ここで、1グループは、分母が2なので、3の倍数ではないが、3/2は1より大きく、グループに含まれていないので、これも除くことになる。
よって、分子が3の分数を持つグループの数は、
420-(140+1) = 279個 である。
2020年 雙葉中 4⃣(3)規則性
(3)全ての分子をかけて、5で何回割れるかを考えるには、分子に5の倍数が何個あるかを考えればよい。
ただし、25=5×5なので、25があるだけで、2回割れることになるので、気を付けましょう。
1)20グループ(分母が21)・・分子が5の倍数なのは、5、10、15、20だが、15は、分母21と3で約分できるので含まれないから、5、10、20の3個。
2)21グループ(分母が22)・・分子が5の倍数なのは、5、10、15、20だが、10と20は、分母22と2で約分できるので含まれないから、5、15の2個。
3)22グループ(分母が23)・・分子が5の倍数なのは、5、10、15、20の4個。
4)23グループ(分母が24)・・分子が5の倍数なのは、5、10、15、20だが、10と20は、分母24と2で約分でき、15は分母24と3で約分できるので含まれないから、5の1個。
5)24グループ(分母が25)・・5の倍数の分子は全て分母25と5で約分できるので、0個。
6)25グループ(分母が26)・・分子が5の倍数なのは、5、10、15、20、25だが、10と20は、分母26と2で約分できるので含まれないから、5、15、25の3個だが、25は2回割れるので、4回分。
7)26グループ(分母が27)・・分子が5の倍数なのは、5、10、15、20、25だが、15は、分母27と3で約分できるので含まれないから、5、10、20、25の4個だが、25は2回割れるので、5回分。
8)27グループ(分母が28)・・分子が5の倍数なのは、5、10、15、20、25だが、10と20は、分母28と2で約分できるので含まれないから、5、15、25の3個だが、25は2回割れるので、4回分。
9)28グループ(分母が29)・・分子が5の倍数なのは、5、10、15、20、25の5個だが、25は2回割れるので、6回分。
10)29グループ(分母が30)・・5の倍数の分子は全て分母30と5で約分できるので、0個。
11)30グループ(分母が31)・・分子が5の倍数なのは、5、10、15、20、25、30の6個だが、25は2回割れるので、7回分。
よって、20グループから30グループの分子の積を5で割ると、
3+2+4+1+0+4+5+4+6+0+7 = 36回 割れる。
今日のまとめ
3⃣の(1)の角度は、簡単に求められると思いますが、(2)の面積の問題は、今の時点では苦戦する生徒も多いかもしれませんね。
△BCD=18㎠を求めるのはできるかもしれませんが、△ABDの面積を△ABOとの等積変形で求めるのが、なかなか思いつかないと思いますので、解き方をしっかり覚えておいてくださいね。
4⃣は、(1)、(2)は確実に正解してほしいと思いますが、(2)で、3の倍数140個を420から引いただけで、280個としないように気を付けましょう。 一番最初の分母が2のグループも含まれないことに注意!!
(3)は、地道に書いていきましたので、理解できたと思いますが、25が5で2回割れるということ以外に、グループによって、分子に25や30が加わったり、分母が25と30のときは、分子の5の倍数がないということにも気を付けてほしいと思います。
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